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仮想通貨「Bitcoin」とは一体何か、どういう仕組みかが一発で分かるまとめ


P2Pの仕組みを利用することで簡単に送受信でき、決済手数料も極めて安価なことから、ネット決済ツールとして日増しに存在感を強める仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」について、一体どのようなものなのか、その仕組みはどうなっているのかについて、見るだけでサクサクわかるムービーがいろいろと公開されています。

◆ビットコイン鉱山
一般的なデジタル通貨は、取引所で既存通貨とデジタル通貨を両替することで手に入れられます。これに対してビットコインの入手経路は、両替所だけではありません。自らの手で「採掘」することも可能です。

What is Bitcoin Mining? on Vimeo
http://vimeo.com/69320194


ビットコインはP2Pネットワークで運営されており、ビットコインを所持する人は"銀行の小さな一片"として機能するため、「分散型通貨」とも称されます。


ではビットコインはどうやって作り出されるのでしょう?


紙幣は、政府がいつどれだけ刷るのか決定します。


これに対して、ビットコインは中央政府を持ちません。


ビットコインでは「miner」という特別なビットコイン"採掘"ソフトが流通量と発行時期に関する数理的問題を解決しビットコインを造り出します。


ビットコインは、minerの計算によって採掘される量が自動的に調整されるのです。


例えば、採掘する人が少なければ、ビットコインを掘り当てるのにそれほど長い時間はいりません。


しかし多くの人がビットコインを手に入れたい場合には、採掘するのが困難になり時間がかかる仕組みが採られています。


minerでは初期にはCPUで演算処理をしていましたが、より速い処理速度を求めてグラフィックボードが使われるようになりました。その結果発熱量が増大する問題に直面することに。


そこで、ビットコインmining専用チップ「asic」が開発・販売され、今ではより計算速度を高めつつより省電力化に成功しています。


ビットコインの需要が高まるにつれより多くの人がネットワークに参加する結果、採掘はより難しくなります。そこで生み出されたのが「プール採掘」システムです。


プールでは、採掘者はチームを結成してビットコインの採掘を協働し、自身の貢献度に応じてビットコインの分配を受けることができます。


ビットコインは「金(ゴールド)」にたとえるとその性格を理解しやすいと言えます。金は中央政府によって発行されるわけではありません。もちろん中央政府がその価値にお墨付きを与えるわけでもありません。金の価値は、世界中の誰もが「金には価値がある」と考えるから認められるもので、完全に市場の判断にゆだねられています。そして、金の埋蔵量には限界があることもその価値を下支えしています。

金と同様に、ビットコインには発行権限を有しその価値を担保する中央政府の存在はありません。そして、ビットコインにはminerとよばれるビットコイン採掘管理ソフトの存在により、流通量が自動調整され埋蔵量にも限界が設定されています。そして、その価値が需要と供給の関係によって決定されるのも金市場と同様です。

これはビットコイン1枚あたりの米ドル換算による取引相場のチャート。


◆ビットコインの使い方
このような「ウェブゴールド」とでもいうべきビットコインの使用方法は、こちらのムービーを見れば一発で理解できます。

What is Bitcoin? - YouTube


ビットコインは分散型のデジタル通貨です。


ビットコインはP2Pにより個人から個人へ直接送信することができ、銀行や通貨交換所を通す必要はなし。


これにより、手数料は低く抑えられ、あらゆる国で使え、アカウントを凍結されることもなく、必要条件も、検閲もありません。


ビットコインは、PCを持つ人ならば誰でもフリーのアプリケーション「miner」を使って作り出すことが可能です。


マイニング(採掘)量は自動的にビットコインネットワークによって調整され、おかげでビットコインの総量は下図のように設定され上限が決められています。


ビットコインは、デジタルウォレットに蓄えられ、まるでオンラインバンクのようです。


ビットコインは簡単に送信でき……


電子署名が付けられた状態で暗号化された情報はビットコインネットワークに送信され……


数分後に認証されれば送信完了、受け取った人はビットコインを使えるようになります。取引は匿名情報として永久にネットワーク上に記録されます。


ビットコインソフトは完全なオープンソースで、だれでもコードを確認することが可能。公平性とセキュリティが担保されています。


ビットコインで買えるモノには、ビデオゲーム、ギフト商品、本、サーバーなどがあり……


中にはアルパカの靴下なんてものも……。


数多くの取引所も誕生し、すでにドル、ユーロなどさまざまな通貨がビットコインへの両替に対応済み。


受け取るのに費用はかからず、クレジットカードのようなチャージバックとも無縁であるため、ビットコインはスモールビジネスやフリーランスに非常に有効です。


◆ビットコインはどのように生まれたのか
ビットコインネットワークは、専用ソフトminerを使う人のシステムパワーによって運用されています。つまり、ビットコインをマイニング(採掘)している人には「ネットワークを維持する見返りとしてビットコインが与えられる」という仕組みです。もっとも、マイニングには非常に強力なスペックのPCや専用チップを搭載するハードウェアが必要であり、またマイニングに必要な電気代は与えられ得るビットコインの市場価値ではまかなえないとも言われています。

このような、ネットワークを支えるサポーターにインセンティブを与えることによりシステムを維持・運営する仕組みに加えて、ビットコインには、強力な暗号アルゴリズムによる匿名性、二重使用されていないことを完全に探知可能にすることで得られる公平性・安全性、流通量をたくみに制限し埋蔵量にも限界を設定することで市場価値を維持する仕組み、そして通貨発行権限を有する中央集権的なシステムを否定することで流通にかかるコスト(発行手数料)を最小化するという、仮想通貨としての理想的な設計概念のもと生み出されています。


この理想的な仮想通貨は、「中本哲史」と名乗る人物の出した「ビットコイン:P2P 電子マネーシステム」という論文からスタートしました。

【PDF】Satoshi Whitepaper - SatoshiWhitepaper.pdf
http://www.bitcoin.co.jp/docs/SatoshiWhitepaper.pdf


この中本哲史なる人物が何者かについては明らかにされておらず、ハッカー(とその集団)であるとか、某国政府であるとか諸説あります。アメリカのコンピューター学者テッド・ネルソン氏(今のネットにおけるリンクの概念の元になる世界最初のハイパーテキストによる「プロジェクト・ザナドゥ」を始めた人物)は中本哲史の正体が京都大学教授の望月新一博士であると主張しますが、真相は闇の中です。

I Think I Know Who Satoshi Is - YouTube


◆拡大するビットコイン市場
謎の人物「中本哲史」によって2009年に生み出されたビットコインは、既存の通貨制度を揺るがしうる革命的先進性から、中本がネットから忽然と姿を消した2010年以降も世界中に拡大していきます。ビットコインが市場取引に使われたのは、2010年にLaszlo Hanyeczさんがピザ2枚を1万BTC(ビットコイン1万枚)で購入したのが最初だと言われています。記事執筆時点で、1BTCの交換価値は137ドル(約1万3300円)なので、現在の貨幣価値で言えばこのピザは1枚6650万円したということになります。

By Robert

利用者の増大に伴い、急激にその市場価値を高めるビットコインですが、取引範囲もどんどん拡大しています。

インターネットアーカイブはビットコインでの寄付の受け付けを開始。


WordPressは決済通貨にビットコインを採用。


ついには、給料(の一部)をビットコインで支払う会社まで登場。


◆ビットコインの行方
しかし、ビットコインが革新的であるがゆえにつきまとう"影"も存在します。

Bitcoin Explained
http://vimeo.com/63502573


ボーダレス化する世界経済にふさわしい電子通貨とは、"デジタル王国"で通用する通貨であるべき。


それにふさわしいのは「Bitcoin(ビットコイン)」です。ビットコインはP2Pネットワークを利用して電子キャッシュシステムを分散化させる仕組みをもちます。


従来の通貨は中央政府が発行し、流通量を調整。


一般に紙幣は印刷され流通します。しかしビットコインは違います。


ビットコインは「Bitcoin mining」と呼ばれる"ビットコイン鉱山"から採掘されます。「採掘される」とはいうものの、ビットコインが存在するのはネット上の仮想空間です。


専用アプリケーション「miner」によって複雑な数理プログラムを走らせることで、新たな50枚のビットコインを発掘し、オーナーになることが可能です。


ビットコインネットワークは自動的にマイニング(採掘)量を調整、現在はおよそ10分ごとに50枚のビットコインが採掘されるよう制限するため流通量が限定されています。


流通可能なビットコインの総量はわずか2100万枚で、その貨幣価値は現在1枚70米ドル(約6800円)ほど(ムービー製作当時)。しかし、昨年の取引高は、総額で1670万ドル(約16億2700万円)にも達しています。


ビットコインは各国通貨と交換することができ、Mt.GoXが最大の両替所(取引所)となっています。


ところでビットコインは闇の取引サイトで使用されることも多く、ヘロイン、マリファナといった薬物売買の決済に悪用されることもしばしば。


Torというソフトを用いて身元を隠した状態で取引する闇サイトは「シルクロード」と呼ばれ、確固たるデジタルマーケットを形成しています(2013年10月に運営者が逮捕され、日本円で1160億円の売上があったことが明らかに)。


ビットコインの影響力は増大する一方で、WikileaksやWordPressはビットコインを現金と同じく決済に使うことを認めています。


さらにカナダ政府は、ビットコインを模したデジタル通貨「MintChip」を導入しました。


ビットコインは「通貨」の概念を変えようとしています。


ビットコインは実物貨幣と異なりネット空間に存在する仮想通貨であるため、ハッキングやウェブ上のトラブルにより、盗まれたり喪失したりする危険性が指摘されています。また、その高い匿名性のせいで、違法ドラッグの取引やマネーロンダリングに使われることも多いと言われます。

また、投機マネーがビットコイン市場に流入したため、近年、その交換価格がバブル的な水準に達しているとの指摘もあり、実際に2013年4月にはわずか1日で取引価格が半値にまで急落するという"事件"も発生しています。

従来の通貨の概念を根底から覆しうるビットコインは、はたして21世紀の通貨革命になるのかそれとも時代のあだ花に終わるのか。今後の行方に注目です。なお、記事執筆時点において、取引価格は1BTCあたり137ドル(約1万3300円)、全世界流通量は1175万9100枚となっています。

つづき
仮想通貨「Bitcoin」を完璧に理解するために知っておきたいことまとめ - GIGAZINE

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in メモ,   ネットサービス,   動画, Posted by darkhorse_log

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